『そうする。けれど私、あなたの名前知らないわ』
『あ、そうでしたね。私の名前は、藍川鈴音です』
あいかわすずね。
まさか、名字に“藍”が入るとは……。
私の勘、意外と鋭いのかしら?
『鈴ちゃん、よろしくね』
『こちらこそ、よろしくお願いします!!では、また後で』
鈴ちゃんは、顔を少し赤らめて嬉しそうに廊下を歩いて行った。
『ふう……』
大富豪の豪邸は、トイレまでもが豪華。
この綺麗なお花だって、毎日替えてそうだし。
とか、長い間考えてしまった気がする。
まずい!!拓に怒られてしまうかもしれない!!!!
慌てて、トイレを飛び出すと、目の前に人が居た。
廊下を歩いて居たのに、驚かしてしまったのだと思う。