『分からないの』





桜が、返事をくれた。




途端に、その場に居たたまれないほど苦しくなる。





思わず、その場にしゃがみ込む。




桜の、大好きという気持ちが、心の中に溢れる。




伝わる、その気持ちが。


痛いほどに理解出来る。




なぜ─────。







『分からない』




また繰り返す。





『みんな大好き。だから、誰がなんて、分からない』





誰か、助けて。





『分からない』





耳にこだます、言葉。






『だ、誰か────』




その瞬間、目の前に眩い光を放つ人が現れた。



眩しくて、顔が見えない。