その小鳥たちは、呼んでいた。
何を、なんて問われても分からないけれど。
なんだか分かる気がしたの。
きっと、小鳥も恋をしている。
恋い焦がれて、その名を心の底から、叫んでいる。
同じ、人に恋をしてる。
だから、我こそが、と必死になっている。
桜は、ただ凛と立ち尽くし、どの小鳥にも手を貸さない。
どの小鳥も、大切だ、と。
『誰か決めてあげなさいよ。このままでは、みんな疲れ果ててしまうわ。あなたの花びらが散り終わるまで』
なぜか、桜に問いかける。
なぜか、とてつもない切なさが込み上げる。
どうしようもない、想い。