『白純美』



『なあに?』





『可愛い』



『……バカ』




『俺だけの桜。誰よりも綺麗で、可愛い』





そう言って、二人で微笑む。


なんて、柔らかい時間なの。




幸せで、離れた時に寂しくて凍えてしまいそう。





『白純美、今日は帰るか?』





少し不安そうな表情を浮かべて、尋ねる。




帰りたくなんかない。


ずっと拓の傍に居たい。






『か、帰ら、ないわ…』





気付けば、心に思うままに、言葉が落ちている。




困らせて、しまうかしら。





それは嫌だから、やっぱり帰る、と口を開こうとした。





『俺も、白純美と一緒に居たい。今夜も』