『さくらは、花の国のお嬢様だよ。可愛いだろう?』
『はい。とても』
その後に、「そうは見えません」と続きそう。
私を見る目が、鋭い。
なぜ、こんな人といるんだよ!!と無言で訴えられる。
『さくら、おいで。俺の部屋まで案内するから』
『ええ。ありがとう』
秀介くんは、私を一瞬睨んでから、拓に顔を向ける。
『俺も、もう少ししたら、兄さまのお部屋に行っても良いですか?』
その笑顔は、まるでマーガレットみたい。
白くて、可愛い。
まだ、幼いような気がするけれど、容姿は完璧。
拓を映す瞳は、無邪気で、大好き、という気持ちが溢れてる。
可愛い、ポピーやマーガレットみたい。
そう思って思わず微笑む。