『た、拓───』
なんだか感情が押さえ切れない。
こんなにも、好きなのよ?
伝えてしまいたい…。
『さ、さくら!!!!とりあえず、家を案内するぞ。よ、頼稜?!』
『はい、こちらに』
拓?ものすごく、変よ?
貴方らしく、ない?
というか、頼稜さん…傍に居たのね。
気付いて恥ずかしくなる。
紳士らしく綺麗に立って、こちらを真剣な眼差しで見つめる。
綾瀬さん、さすが…ね。
『綾瀬。今、このまま家に入ってもいいか?』
『はい。何も問題ございません。しかし…』
綾瀬さんは、後ろに止まっている車をちらっと見る。
ああ、そっか。
このまま拓に付いて行ってしまったら、車がそのままに…。
『大丈夫。二人で行くから』
拓が私の髪を優しく撫でる。
そこから、熱くなる。