ー忠山公園ー


『あ、美緒さん!』


庄司が草陰から小声で美緒によびかける。


「庄司さん、行ってきます…」

『さっきの通りでいいですね?』


庄司の後ろにはもうすでにたくさんの警察がいた。

美緒はそれを見回したあと、

静かに言った。


「…はい、よろしくおねがいします」


そして美緒はザワザワ風がふく中、

三十里公園へ向かった。