沈みかけの太陽が
辺りの陰を濃くしていた。

フッと横切った風は
ひんやりした夜の風だった。

その瞬間に思う。

変わっているのだ。


同じに見える木々も
けっして昔見た
緑ではない。

もうほとんど
座る人がいないのだろう
朽ちかけた木のベンチ

色鮮やかだった
鉄棒も一色の赤茶けた
錆が覆っているだけだ。