眠くなると
不機嫌になるのだ。

そうだ、そうだった。

みのりは不意によみがえった
記憶に苦笑いする。

車をゆっくり発進させながら
窓の向こうに見える
階段に目をやる。

門倉が下りてくる
気配はなかった。

あのベンチで
煙草を吸っている、
そんな気がした。