あまりに自然な
別れの言葉だった。

昔と変わらない笑顔。

また、明日。
馴染みある
親しい者たちの
あいさつ。

そんな風に門倉は聞こえた。

「…あぁ。気をつけて」

名残を惜しむでもなく
みのりは公園を後にした。

門倉はただ黙って
ベンチに腰掛けたまま
2人の後ろ姿が
階段の向こうへ
消えていくのを見送った。