「好きな人と
あの子がいて。
それだけで
頑張れるから」

樹が顔をあげて
こちらへ走ってくる。

「はい」

先ほどと同じ
小さな黄色い花を
門倉に差し出す。

「…ありがと」

門倉が受け取ると
余計に花が小さく見えた。