目を閉じれば
あの頃に戻ったような
気分になれる。

木の匂い

遠くで響く船のエンジン

微かな風が潮の香を運ぶ。


胸いっぱいに
吸い込んだ空気が
自分の心を刺激するのを
みのりは感じた。


青い空を優雅に
二羽の鳥が
飛んでいる。

羽を羽ばたきもせずに
風に乗って
みのりの上を
旋回していた。