門倉は言葉にしなくても
さりげなく気を回してくれる。


ようやくドキドキが
落ち着いてきた気がして
みのりは門倉の隣へ腰掛けた。

「片瀬のままなんだな。
…里帰り?」

それを口にするかみのりは迷った。
でも誰かに聞いて欲しい
という気持ちもあった。

「なんかあった?」

みのりが黙っているので
門倉が心配そうに覗き込む。


「お母さんの…お葬式だったの」