そのブランコは
小高い山の上にあった。


潮の香りの漂う広場には
ブランコと鉄棒、
傷んだ木のベンチ。

殺風景な空間だが
小さい頃から大好きだった。

ブランコを高くこげば
彼方に見える水平線
そして
みのりの住む町が見えた。


また戻ってきてしまった。

あの時別れを告げたはずの
この場所に。
もう二度と戻らないと
決めていたのに。