始まりがあれば
終わりがあるかもしれない




でも私が今してる恋は、始まることも終わることも許されないだと思う




昔、友達に極度のブラコンとからかわれたことをよく思い出す。





しかし、私の初恋は意外な形で終わりを迎えた。





賢二に彼女ができた




今までもいたかもしれないけど、流石に家に連れてくると現実逃避なんて効かない。





そして私はまた学校の屋上に続く階段を無意識にのぼりきった。





屋上に出ることはできないが、そこの窓から見る空は特別な気がする





そしてまたしても私が来る前に少年はそこで空を眺めていた




『どーした。そんな泣きそうな顔して好きな男にフラれたか?』




目を合わさない私と少年の会話はわずかに沈黙を挟む




『―…うん、まぁね。どうせ無理ってわかってたのにやっぱ辛いよ』





『おれのほうが辛いよ。好きな女が、他の男のために泣きそうな顔してるんだからさ。はぁー』




――…ん?