奏汰だ………


「姫華は俺じゃなくてカナタが好きなんだろ?」


「そうよ!!カナタが好きなの。」


違う。

カナタはファンみんなのもの。


「姫華は奏汰を見てないよ。姫華はテレビに出てるカナタが好きなんだよ。


あたしは奏汰が好きなの。」


歌を歌ってなくても、全然人気が無くても、奏汰が好きなの。


「姫華は俺自信を見てない。」


「うっ………うわぁ~~ん!!!カナタなんて大嫌い!!!」


「うん。大嫌いでいい。」


姫華が大きな声で泣き出した。


それから30分ずっとこんな感じだった。


「玲、奏汰迷惑かけてごめんなさい。奏汰が玲にだけ見せる顔がムカついたの。姫華と居るときにはしなかった顔だから。」


本当は姫華って悪い人じゃないんだ。