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芦多は久し振りに手にする長槍の感触を確かめた。
正隆に頭を下げて、練習を再開してもらったのだ。
「いつまで武器を触っとるんだお前は。」
呆れたように芦多を見やり、正隆は縁側から降りた。
正隆が槍を振る。
ビュンッと風を切る音がした。
「まったく正隆は。
もうそろそろ年なんだから、少しくらい隙を見せてもいいのに。」
「ほざけ。
まだ若いわ。」
正隆は笑って顔をくしゃっとさせた。
「さぁ、始めるぞ。」
芦多は立ち上がって正隆の正面に構えた。
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