「気の強い…。」



そうはいいながらも、蛇儒は愉快そうだ。



「悪いが、わしは用がある。
主には、消えてもらうぞ。」



そう言う蛇儒の手が、鈍く光りだした。



なんだ…?



その次の瞬間、それが芦多に向かって放たれた。



気味悪く光るそれを、目で追いつつ避ける。



が、芦多が位置をずらしたにも関わらず、それは芦多にくっついてきた。



「!?」


「無駄だ。
魔術には勝てん。」



くっと声が漏れる。



これは…予想以上に危険だ。



カラスにも邪魔され、いよいよそれが眼前に迫った。



灯世…。



悪い、案外早く、私はやられそうだ。