「いい。
あれだけ拒否したじゃないか。」


「でも、厳しく罰を受けようと、芦多様をなくすよりましです。」



何が灯世を怖がらせているのだろう。



灯世の様子は異常に見えた。



「大丈夫だ、その必要はない。
爪鷹がなんとか作戦を練ってくれてる。」


「…そうですね。」



灯世は自嘲するように笑った。



「私、もっと爪鷹さんを信頼しなきゃいけませんね。
爪鷹さんに失礼です。」



取り乱してすみません、と灯世は謝った。



芦多は何か気の利いたことを言おうと言葉を探したが、結局みつからず、灯世に口付けた。



「んっ。」



芦多が灯世を抱き直すと、灯世は声を上げた。



そうだった、繋がったままだった。



芦多が前触れなく再開すると、灯世は盛大に身体を強張らせ、芦多に抱きついた。