「三番隊とは合流したのか?」


「いや、まだだ。
まだ連絡も何もない。」


「そうか…。
むこうも無事だといいんだけどなぁ。」



頼むから、無事であってほしい。



今一番危険なのは芦多の隊なので、まずは自分の心配をするべきか。



「灯世と会った?」



しばらくの沈黙の後、爪鷹が口を開いた。



芦多はゆっくりと首を横に振る。



「そっか。
まあ、今晩は同じ場所で夜を明かせるんだ、喜べよ。」



この状況で言える言葉ではない。



芦多はくすりと笑った。



「兵が聞いたら怒り狂うぞ。
自分だけ女と、なんて。」


「いいんだよ、隊長の、芦多様の特権なんだよ。」



きっと男達はこぞってその特典欲しさに昇格を狙うだろう。



ああ、それより…



「私はお前と話しに来たんだ。」


「ああ、悪い悪い。
これからどうするか、だな?」



芦多は頷いてみせる。



爪鷹は表情を引き締めた。



「まずは、三番隊と四番隊の到着を待つ。
それまで一番隊だけで持ちこたえて欲しい。
必要なら俺の隊から何班か送るけど?」



芦多は首を振った。



自分達で持ちこたえてみせるさ。



「そうか。
で、三隊で一気に攻撃を仕掛ける。
原始的なやり方だが、包囲して、な。」


「もし、隊長の首を獲ったらどうしたらいい?
出来るだけ人数減らすか?」



芦多の質問に、爪鷹は随分考え込んだ。



芦多は黙ってそれを待つ。