数日後。



今までで一番大きな揺れが屋敷を襲った。



「芦多!」



廊下に飛び出すと、もう既に千歳がいた。



「行くぞ。」



ぞろぞろと後から爪鷹と耶粗も続く。



表に出ると、八重が灯世を連れて立っていた。



「八重様。」



近づくと、八重が口を開いた。



「今から氏神様の許しを乞います。
……あなた達、離れる気はないんでしょう?」



呆れたように言って、八重は灯世をみた。



灯世は首をすくめる。



灯世から聞いたらしい。



「まったく、もう。」



そうは言いながらも怒ってはいない。



ちらりと灯世をみると、舌をぺろりと出した。



…灯世が言い包めたのか。 



「許しを乞うって?」



千歳が尋ねると八重は手を合わせる素振りをした。



「祈祷を捧げてみます。
もしかしたら爪鷹さんの言う通り、私の占が外れて理由が他にあるかもしれませんし。」



爪鷹が気まずそうに身動きする。