そんな運命、打ち壊せよ。



「そんな占が出たんなら、どうせ逃げてもすぐ捕まる。」


「どうせそうなるなら、ここでおとなしくしていましょう。
まだここにいれば二人一緒なんですから。」



痛々しいったらない。



どうしてそんな占が出るんだ。



「ありがとうな、千歳。」



顔を上げると、二人が千歳をみていた。



その顔は、なんというか美しかった。



互いに、一緒にいられるだけでいいと本気で思っている顔。



一度離された二人にとって、それは大きな意味をもつんだろう。



例え、2日に一度、ちらっと顔をみるだけでも。



「なんかあったら助ける。」



ぶっきらぼうな千歳に、二人はもう一度微笑みかけた。



千歳は、やりきれない気持ちのまま部屋を出た。