みんなはそうだと助けてくれたけど、芦多にはそうは思えない。



心の中で、芦多は頭を下げた。



「で、と。
里が毒を盛った犯人、として。」


「あとはそれをどう裁くかだな。」


「しょっ引かれて、白状しないだろうし、型の俺達が申し立てたところで上まで通らなうだろうし。」



一番の問題は、それだ。



忘れてはならないのは自分達の身分。



うっかりすると侍女よりも低い。



「どうするかなぁ…。」


「それに、もし申し立てるにしても黒幕掴んでからでないと。」



千歳の言葉に、みんなが頭を抱えた。



「それ、大変だよなぁ。
芦多、意見!」



爪鷹に背中を叩かれ、芦多は説明を始めた。



さっき爪鷹に話して聞かせたことをもう一度2人にも話す。



うんうんと耶粗は頷いた。



「そっかぁ…。
そうだよなぁ、身分高けりゃなんでも出来るもんな。」


「しかも芦多の勘で女に特定された。
だいたい容疑者は絞れたな。」



明日からまた調査開始だ。



上手く捕まるといいが…。



もし野放しにしておいたら、今度は灯世が危ない。



何としてでも、灯世は守りたい。



芦多はぐっと拳を握った。