確かに毒を飲ませたのは里かもしれないが、裏には誰かがついているはずだ。



毒の入手経路も知りたいところだ。



根絶してやる。



「俺はかなり位の高い誰かが手引きしてると思うんだよね。
芦多はどう思う?」



ここで二人は警邏をやり過ごした。



衛兵が遠ざかってから、芦多は答えた。



「私もそう思う。
そして、それはおそらく女だ。」


「どうして女だと思うわけ?」



爪鷹は空に“女”と書く。



「わからない。
勘だ。」



ふーん、と爪鷹が芦多を見上げる。



「まあ、耶粗も言ってた。」


「お前はどう思うんだ?」


「わからない。
なるべく性別は考えないようにしてるし。」




犯人像が想像で作られちゃうからね、と爪鷹は警告するように言った。



確かに。



でも、芦多は自分の勘を信じることにした。



「さぁ、帰って作戦会議だね。」


「今夜も徹夜だな。」



悪いな、と謝ると、爪鷹は優しく笑った。



芦多はいい友人を持ったと、本気で思った。