「まったく、遅いよ。」


「しかし、まだ三年しか経ってないぞ。
早いほうだろ?」


「遅いな。」



何か意味ありげに、爪鷹は首を振る。



「どういう意味だ?」



さすがに芦多もムッとして聞き返す。



「……。」



3人は政隆を視線を交し合った。



どういうことだ?



自分を省いたこの4人に何があった?



「隠してもいずれわかる。」



政隆の深い声に、千歳が顔を上げた。



「俺が案内する。」



耶粗が頼んだというように千歳の肩を叩く。



「来い、芦多。」



芦多はわけがわからないまま、千歳のあとをついていった。