「また村がどうしようもなくなったら呼んでくれればいい。」


「はい。」



そのまま芦多は他の村人に気付かれないまま、村を発った。



他の連中に見つかったら説得するのが面倒だ。



輝は今でも芦多の良き相棒だ。



今日もしっかり走ってくれている。



「灯世に会えるんだ、輝。」



輝は答えない。



それでも、芦多は嬉しげに話しかけ続けた。