と、その直後、八重は身体をビクリと震わせた。



「あなた…まさか気付いていたの?」



何に?と尋ねる前に八重は駆け出した。



「山城様!
結界が破られました。」



山城の耳元で八重が囁くと、みるみる山城の顔が青くなっていった。



「すぐに直して参れ。」



はい、と八重は言いダッとどこかに駆けていった。



灯世は追う力も出ず、辰之助にもたれかかったまま無気力に慌ただしく動き出す人達を見ていた。
















灯世の最初の夜会は、慌ただしさに呑まれたままお開きとなった。