灯世が追い付くと、衛兵は灯世を先導した。



「数はかなり多めかと…。」



ご無理なさいますな。



衛兵はそっとそう囁いて、後ろに下がった。



そのあたたかな言葉が灯世に力を与える。



「灯世!」



耶粗が隣に駆け付けた。



「来たんだな。」


「はい。」



今、結界に魔物が侵入した。



「来ました。」



カッと目を見開いて、灯世は外に出た。



「今回の助っ人は俺一人だ。
悪いけど、頑張ってくれよ。」


「はい、大分力もつきましたので。」



少し安心して下さい、と告げると、耶粗は顔をくしゃっとして笑った。



「心強いなぁ。」



言いながら、耶粗は刀を抜く。



切っ先がキラリと光った。



「まだ昼なのに、襲ってくるなんて。」


「相手側も本気で侵略を決めたのでしょう。」



灯世と耶粗は揃って後ろを振り向いた。



「私は大守護者の称号を有する者ですよ。
あなたと同じように魔物を察知することくらい出来ます。」



目を見開く灯世に少し怒ったように八重は言った。



「お友達ですか?」


「はい、耶粗さんといいます。」



耶粗はぺこりと頭を下げた。