その仕草に、胸がチクリとする。



温かさを持った微笑み。



あの子とは違う。



あのぎこちないのとは。



でも、どうしてだろう。



温かさがしみるのは、あの子の方だ。



顔が辰之助に似ていて、年が近そうだということも灯世の心に居座る理由としてあるのだろう。



「灯世よ。」


「はい?」



辰之助は突然声を落とした。



「お前はわしの守護者でいてくれるか?」



え?と思わず眉をひそめる。



いきなりどうしたのだろう。



「わしが嫌いになったか?
疲れたか?」



あぁ、私の元気がない理由をそこに持って行ったのか。



「いいえ、今まで通り仕えさせて頂きます。」



やっと、辰之助の顔が緩んだ。