「そーそー。
俺達は戦う為に育てられてきたんだ。
何よりも戦うことが得意なんだから。」



耶粗はそういって、灯世を小突いた。



「な、頼もしいだろ?」



千歳も長槍を振り回して感触を確かめながら言った。



「だから、俺達の心配はしなくていいから、灯世は結界だけに集中してろよ。」


「はい。」



心配はするだろうけど、しっかりします。



心の中で付け足した。



「行くぞ。」



一段と低い芦多の声を合図に、勇者4人は外に出た。



蛇のように身体の長い魔物が、芦多に向かう。



身体をくねらせ、牙を剥く。



芦多の身長の3倍以上ある口を大きく開け、飲み込もうと近づく。



芦多は慌てず、するりと流れるように身をかわした。



そして、武術大会での賞品、剣を振るう。



キラリとその刀身が光った。



鳥のような羽のある魔物が一斉に爪鷹に襲い掛かった。



「あっ。」



あんなにたくさんに囲まれたら!



思わず悲鳴を上げた灯世の前で、爪鷹は驚くほど俊敏に二振りの刀を振るった。



たちまち、半数を斬った。



凄い…。



こんなことが、あるんだ。