コンコンッ…

返事はない。

コンコンッ…「彩音、忍。」

返事はない。

透はノックした手をウロウロさせながら迷った。


(入るべきか、入らざるべきか?)

透はさっきの彩音の下着姿を思い出して顔を赤らめた。


(いや、あれは仕方ない事故だ。しかし沙綺に起こせと言われたが迷うな。)

しばらく考えたが、透は心を決めて部屋に入っていった。


ガチャ…。

「入るぞ?」

部屋に入った透は周りを見渡した。
服や雑誌、若干の化粧品が床やテーブルの上にあり、2人はまだベッドに居るようだ。

透はベッドに近づいて覗き込んだ。
彩音と忍が向き合ってスヤスヤと寝ている。
その真ん中にクマのぬいぐるみが一緒に寝ていた。


(くくっ…沙綺が言ったのは本当だったのか。くくくっ)

透は笑いを必死でこらえた。