部屋に帰る途中眠そうな沙綺に会った。


「よぉ神楽おはようさん、早いな?」


「え?あ、ああ、目が覚めてな。」


透は少し慌てて答えた。


「今日はもう一度御館様の所に行こうと思う。」


沙綺はあくびをかみ殺しながらそう言った。


「何故だ?何かあるのか?」


「いや、皆が揃ったら一度顔出せってさ。ついでだから御影さんにも会わせてやるよ。」


「御影…沙綺の師匠だな?居るのか?」

沙綺は顔を洗いに行くためか、髪を後ろで結びながら答えた。


「ああ、ここ最近はこの辺りの妖の活動が頻繁になってきたから、御館様の警護についてるんだ。」

透は頷いて、同行する意志を伝えた。


「んじゃ、そういうことで、忍達を起こしてきてやってくれ。
俺は顔洗ってくる。」

沙綺はそう言って手をヒラヒラさせながら洗面所へ向かった。


(う……。起こしに行くのか?)

何となくイヤな予感が透の胸をよぎった。