その答えを聞いた帽子の男は、わずかに笑った。

「クックック…さすが「犬神」玄奘の息子、言う事が似ている。
では少し痛い目を見てもらうしかありませんねぇ?…やれっ」

男が合図を出すと同時に、後ろにいた男達が、引かれた弓のように走り出した!
動きから見て、相当な手練に違いない。

しかし、透は机に足を投げ出したまま動かない。

迫る男達、そして、振り上げた拳が透に襲いかかった!

ゴギィィン!

「ぐわぁぁぁあ!」

硬い金属を殴るような音がすると同時に悲鳴が上がった。

叫び声を上げたのは透ではなく、襲いかかった男達だった。

透が座っていた場所に透は居ない!