「…あの、で?どちらさまで?」


とりあえず敵ではなさそうな女の子に、透は再び問いかけた。
もしもこの子が敵なら俺は負ける…無理。

透は自分が攻撃する姿が連想できずに困惑した。


「だからぁ、彩音だよ!お兄ちゃんよろしくね!」


「彩音だけじゃわかんないでしょ?」


別の方向から声が聞こえた!

「だ、誰だ他にいるのか」

透は慌てて声のする方を探した。

そこには、椅子に座ってポルノ雑誌をまじまじと見てる女の子がもう一人居た。
あの雑誌は昨日沙綺が見ていた物に違いないと、透はすぐに気がついた。


「彩音は良いとして、あんたもいつまで寝てるのよ?もう昼前よ?迎えに位来なさいよね!!」


雑誌から顔を上げた子は、彩音と全く同じ顔の双子だった。
違いがあるとすれば、この子には泣きぼくろがある事と、髪型が斜めのポニーテールだという事くらいだった。

ガチャ

その時扉が開いて沙綺が現れた。
朝風呂あがりなのか頭をタオルで拭いていた。


「おー、神楽やっと起きたか?それとも起こされたか?あはは」