翌朝

……ズシッ……。


(ん…!?)


動けない


(何だ?重い…。)


透の体はピクリとも動けない。


……ズシ…


妖か?何なんだ?


夢見心地だからか、力の入らない体にイラつきながら透はもだえた。


(何が乗ってる?くっ)

次第に頭がはっきりしてきた透はうっすらと目を開いた。
すると……。

「ギャーななな何者だお前」

透の目の前には髪をツインテールにした女の子の顔があった。

女の子はにっこり微笑むと首を傾けながら言った。

「おはようお兄ちゃん!彩音だよ!」

彩音(あやね)と名乗った女の子は透の頭を撫でた後、透の上で体を起こした。

「え誰?彩音?何」

透は状況がつかめないまま、目の前の女の子を観察した。