「いってーなぁ何だよ神楽じゃねーか。」

「優しく起こしてやりゃ頭突きかよ」


まだひりひりする額を押さえながら透は立ち上がった。
沙綺はまだソファーでダウンしている。


「どこが優しくなんだよ。なんかすごい良い夢だった気がするぞ」

「知るかよほら立て、飯食いに行くぞ。どうせ食い物無いんだろ?」


透は沙綺の腕を掴むと引っ張り上げた。
のろのろと立ち上がった沙綺は眠そうな目でアクビをした。


「ふぁ〜…もうこんな時間かよ。しゃーない、食いに行くか。」


ボリボリと頭をかきむしった沙綺は近くの居酒屋に行こうと誘った。

透は飲むつもりはなかったが、沙綺に合わせることにして2人で歩いて出かけた。