夕方

「そろそろ逢魔が時…。」

空はすっかり茜色に染まり、オレンジ色の太陽が地平線に沈みゆく光景が見えた。

「はらへったな。沙綺と飯でも食べに行くか。」

透は窓のカーテンを閉めると、沙綺の部屋へと向かった。

「沙綺、入るぞ。」

ガチャ

透は部屋に入ると沙綺を探した。

「何やってんだこいつ…。」

透は片手で額を押さえると、あきれて頭を振った。
沙綺はソファーの背に左足をかけて横になり、顔にポルノ雑誌を乗せてイビキをかいて寝ていた。
テーブルの上にはビールの缶が何本か置いてある。

グガー…ンゴゴ…スピー

「おい沙綺いつまで寝てんだよ今の時間が危ないってお前が言ったんだろ起きろ」

透は沙綺の体をガクガクと揺すって起こした。

「んにゃむ、何だよみやちゃんまだ足りないのかい?えへへ。」

「みやちゃんって誰だよ寝ぼけてると燃やすぞ」

透の叫ぶ声に反応して沙綺は起き上がった。

「なにぃまてぇ」


ゴンッ


「ぐわっ」
「あだっ」

頭を抱えて同時にかがんだ2人
沙綺の頭突きが相当なクリーンヒットしたらしい。
涙目で沙綺が口を開いた。