透が次々と骸武者達を灰にしていくのを見ながら、沙綺は結界の印を終え、以前張った略式結界を強化した。


そして透の背後から襲いかかった骸武者に足止めの呪符を投げつけた。


「沙綺!すまない!」

透はすぐに気がつくと、最後の一体となった骸武者を炎で包んだ。


これで一応は片づいたが、透は未だ警戒を解いては居なかった。





「………………フフ。」

そんな透達の様子を木の上から見つめる者が居た…。
できる限り気配を消して、透達からは見えていない。


その者は幹に背をもたれかけて腕を組んでいる…。
緩やかなロングヘアを風にゆらゆらとなびかせている美女だった。


「なるほどね‥可愛い坊や達だこと……フフ。」


そうつぶやくと、透達に背を向けて、逆の方向へと移動をしていった。