「神楽葉明は、より強力な妖に対して、人間の術者では太刀打ちできなくなることを読んでおった。

そこで葉明は、その危機を救うべく、独りで長い戦いを経て、ある妖の協力を得ることに成功した…。
その協力とは、貴方がもう知っておる通り、混血じゃ。

…当時、その行為は誰も認める者がおらんかった、当然のことじゃがな。
そして葉明は邪道とされ、表舞台での活躍は出来なくなり、歴史文献の一切から姿を消したのじゃ。」


白蓮は少し考えるように視線を落とすと、茶を手に取りすすった。


「…ふぅ…ここまではよいかぇ?」

視線を上げて透を見据えると白蓮はそう聞いた。


透はまっすぐ視線を返すとはっきりと頷いた。

その様子を見て、白蓮は続けた。