「あの…白蓮様、幾つかお聞きしたいことがあるんですが。」


その言葉に対して白蓮は、どうぞと言わんばかりに頷いた。


「…まず、退魔士について教えていただけませんか?
昨日沙綺に、系統のことは少し聞いたのですが…。」

それを聞いて白蓮はゆっくりと頷いた。

「よろしいどす、お話しましょう。」

そう言うと透に足を崩して楽に座るように指示をした。


「その昔…いにしえの日本において、人間達の力が弱り、妖がはびこっていた時代がありました…。
その妖を退治するために編み出されたもの…それが陰陽道・陰陽術と呼ばれる物どす。
…特に力のあった陰陽師、安倍晴明のことは知ってると思うが…。
彼がウチら退魔士の祖のようなものじゃ。」


そこまで言って白蓮は一息ついた。


「安倍晴明は、霊力の強い者を集めて様々な術を教えていった。
…その術者達が、それぞれの退魔士の長となり、符術士・結界士・召喚士等の派生へと分かれていったのじゃ。
じゃが、安倍晴明と並んで活躍しておった者が他に一人居た。
それが神楽葉明…神楽一族の始祖じゃ。」


透は白蓮の言葉を一つ一つ噛みしめて聞いていた。