白蓮は振り返ると幹矢を見た。


「探していた猫とはこの子かえ?」


幹矢は頷いた後に話し出そうとしたが、事態の優先は自分ではないと考えて口を閉じた。

その様子を見て月読は幹矢に問いかけた。


「詳しい話は後で聞く。すまんが力を貸してくれ、お前なら救えるかもしれん。
雪女の氷を溶かせるとするなら、お前の不動明王の炎しかないんだ。
今ならまだ仮死状態だ、仲間を助けてくれ。」


幹矢は月読の願いを聞いて「わかった。」と答えた。


「何かよく分からないがバタバタしてるみたいだねぇ?僕で良ければ力になるけど、後からたっぷり話は聞かせてもらうからね?ふっふっふ。」


「ギクゥ!わ、わかったにゃ!ととととりあえず頼む。」

月読はワタワタと手を振った後で、忍を屋敷の縁側にそっと寝かせた。