すでに時間は深夜、民家のほとんどが眠りについてしまう時間。
誰も居ない暗い夜道を走る影、ヒラヒラした服のツインテールの女の子と猫耳の巫女。
…かなり違和感があるコンビだったが、誰も見る人は居なかった。


白蓮の屋敷が見える所に差し掛かった時、まるで花火のように空が明るく輝いた!

思わず立ち止まって見上げると、屋敷の上空に火柱が立っているのが見えた!


「あの炎は…神仏の物…不動が来てるのか?」


「はぁはぁ…あれ?妖じゃないの…はわぁ!待ってよぅ!」

月読は知り合いの霊圧を感じながら再び走り出した。
 それに気づかずに空を見上げていた彩音は、いつの間にか隣から姿を消して走る月読を、慌てて追いかけた。

後ろから追いかけてくる彩音に向かって、月読は言った。


「心配はいらん。これ以上にない助っ人だ、白蓮は無事だろうよ。ただ…小僧の件もあるから時間が無い!」


「ふぁーい!はぁはぁ…」

彩音は後一息と気合いを入れて月読の後に続いた。