透は近付いてきた刹那の透き通るような白さと、流れる銀髪に、氷で出来た彫刻のような美しさだと感じた。


「…ああ、確かに俺は神楽だが…何故知ってる?」


「貴方は有名だもの…旦那様は貴方の話ばかり。」


「旦那様?あんたは誰だ?俺に何か用でも?」


透はこのクールな女性の言葉ね一つ一つに引っかかるものがあった。


「いいえ…私は刹那、今日は祭りを楽しみに来ただけ。…たまたま見かけたから、貴方達がどんな人なのか少し話してみたかっただけよ。」


「そう…ですか。」


あくまで表情を変えない刹那に、透はどうしたらいいのかずっと迷っていた。
自分の名を知るのは二つに一つ、退魔士か妖か…。
しかし、彩音達も知らないならば退魔士の線は消えた。

(妖か?でも敵意が感じられないならむやみに手が出せない。)


月読も特に気にした様子はないので、透はもう少し話してみることにした。