…翌日、刹那はいつもの着物姿ではなく、人間と同じ様な服に身を包んでいた。
少し肩のラインの露わになった半袖に、膝下まである花柄のスカートにミュールを履いて涼しげな格好だった。
街の至る所を見て回り、出来る限り妖力を消して退魔士達の情報を集めていった。
しかし、どうしても目立ってしまう肌の白さと銀髪、そして淡い青の瞳に振り返る者が多かった。
刹那はあまり気にしてはいなかったが、人間達から異国の者と思われているのが少し不満ではあった。
人間達の好奇の目と、歩くのに疲れた刹那は、公園のブランコに腰掛けた。
「…ふぅ、明後日のための情報は何とか集めれたわね。
それにしても、街に張ってあった結界に引っかからないように通り抜けるのが、時間かかりすぎちゃったかな…。」
刹那はため息混じりにそう呟いて、ブランコを漕いだ。