「ねぇ鴉…情報収集をしてからにしましょう?私はこの街に詳しくないのよ。襲撃は三日後、神楽の相手を私がするから白蓮を頼むわ。」


刹那は表情を変えないまま、鴉天狗へ顔を向けた。
鴉天狗は片方の眉毛を上げて、怪訝な顔で刹那に言った。


「あぁん?三日後だぁ?んなこといわねーで今から行こうぜ!血が見たくてウズウズすらぁ!」


「……彼らの戦力は固まるとやっかいよ?貴方1人でしのぎ切れるかしら。旦那様ですらあの様子なのよ?」


「ケッ!分かったよ!三日後に白蓮のババァ殺しに行きゃいいんだろ!!テメーこそしくじって援軍寄越すんじゃねーぞ!」


鴉天狗は唾を吐き捨てるように叫ぶと、黒い羽を背中一杯に広げて飛び去って行った。


刹那はそれを見送った後、街の灯りを目指して山を降り始めた。