「…刹那、起きろ。」


洞窟の中に響きわたる鵺の低い声。

鵺の横で壁に背中をつけて、いつの間にか寝てしまっていた刹那は、呼びかけに応じてうっすらと目を開けた。


「…珍しく寝入っていたようだな?…なんだ、ボーっとしおって。」


鵺の顔を眠そうな顔で見つめていた刹那はゆっくりと答えた。


「旦那様…はい、あ〜ん。…という夢を見ました。」


「……相変わらず意味の分からん奴だ…。」

鵺はため息をつきながらそう言った。


「それより、何かご用ですか?」

刹那は立ち上がると、鵺の前で姿勢を正した。


「…少し様子を見て来い。時を空け過ぎると厄介だ、もし奴らに隙があれば、すかさず殺せ。」