「ホントですか?!どんな奴ですか?」


目を見開いた透に向かって、首を傾げながら命は言った。


「フードをかぶったパーカーの男よ?背中にケガしてたみたいだったけど…。」


「そんなバカな…。」


「フフフ…。」


疑惑を拭いきれない透と、それを楽しそうに見つめる命の間に、月読が割って入ってきた。


「デタラメを言うな玉藻。小僧も簡単に騙されるで無いわ!」


「あら、貴女もずいぶんご無沙汰じゃない?子猫ちゃん。」


「ふん!女狐が…貴様に言われとうないわ!」


余裕の笑みを浮かべた命と、尻尾を立てて警戒する月読を見比べて、透はワケが分からなくなった。