「ふん、変わり者め…。好きにしろ。」


鼻を鳴らして呟いた鵺の言葉に、刹那は嬉しそうに笑った。


「はい、言われずとも。」


鵺は再び目を閉じると、一つだけ刹那に忠告した。



「お前は退魔士共に恨みはあるまい?勝手についてきて殺されても知らんぞ。」



刹那は愛おしそうな瞳で鵺を見つめると、決意を秘めた口調で言葉を返した。


「旦那様のためなら、私の命は捧げます。…貴方の側に置いていただけるだけで、私は幸せなのです。」


「…………ふん。」


そして再び眠りについた鵺の側に、刹那は静かに佇んでいた。