「…鎌鼬はそんな事言ってやがったのか…。
大妖怪鵺、名を上げたいなんて考えるにゃ丁度良いかもしれねーな。」


沙綺は顎に手を当てて、しかめっ面になると続けて言った。


「奴等が俺達を狙っているのは、今に始まった事じゃない。問題は一般人に被害者が出る可能性があるって事だ。」


「そうだな、早めにケリをつけるべきだ。
鵺の脅威が消えないうちは、不安要素を出来るだけ減らしたい。街に張ってある結界に反応があればすぐに出るぞ。」


「解った。」


そう言って沙綺と透はお互いに頷き返した。

その様子を眺めてた彩音が、先程の続きを透に言った。


「お話終わり?もう大丈夫?…お兄ちゃん、出前お寿司頼もうかってなったの。お姉ちゃんもお魚好きだから。」


透は振り返って彩音と向き合った。


「解った。じゃあ電話しとくから、先に風呂に入ってきていいぞ。」


透の返事に彩音は頷いた後、忍と一緒に部屋に戻った。