ガチャガチャ…カチン…ギィ


  ドサドサドサッ!

「ふぃ〜、疲れたよぉ〜。ただいまぁ!」


彩音は肩から荷物を下ろしてぐったりとしゃがみ込んだ。

透達一行はあれからしばらく歩いた後、通りすがりのタクシーを捕まえてマンションへと戻ってきたのだった。


彩音の後ろから、同じく荷物を担いだ忍が声をかけた。


「ちょっと彩音!そんな所でしゃがんでないで早く上がってよ!」


「はぁ〜ぁい。」

玄関口でへたり込んでいた彩音は、ヘロヘロになった体を引きずると、リビングに向けて歩きだした。


忍は透より先に上がると、透から荷物を幾つか受け取って奥に向かった。

透は頭に乗ったまま爆睡してる月読の首根っこを掴むと、目の前にぶら下げて言った。


「おい月読!いつまで寝てんだよ!着いたぞ!」

その声に眠そうに目を開けた月読は、周りを見回した後、下ろさんか小僧!っと元気に叫んだ。